事務所通信 平成20年11月号掲載
浮利は追わず、額に汗して利益を得る
 世界の金融・証券市場の動揺が続いています。いつになったら落ち着くのか不安な思いで毎日のニュースを見ている方も多いのではないでしょうか。
 ところで、以前読売新聞における「時代の証言者」という特集記事において稲盛和夫氏は次のように述べています。
 ドル安を容認した1985年(昭和60年)のプラザ合意で、急激な円高が進みました。輸出依存度高い京セラは、大打撃を受け、コスト削減に大変な努力を払いました。バブルの時代を迎えると、不動産や株式への投資がもてはやされました。
「額に汗して得たものしか、利益ではない」と信じていたので、財テクで利益を上げる企業があっても、うらやましいとは考えませんでした。振り返れば、バブルは欲まみれの人間が生んだ幻影だったと思います。
 バブルの時代でも、本業に徹したのは幸いでした。のちに「失われた10年」といわれた90年代、わが社の売上高は連結ベースで3倍に増え、携帯電話も大きく伸びました。
 また、「京セラ会計学」において次のように語っています。
人間というのは面白いものです。今度のバブル崩壊までに、実はもう3回くらいバブルがはじけていたんですが、同じことを繰り返しているんです。学習効果がないというか、1回火傷をすれば懲りればいいのに、その痛みが過ぎるとたちまち痛みを忘れてしまってまた繰り返すのです。やはり、大切なことは原理原則なんです。
 これから時代はどう変わっていくかはわかりません。
しかし、どのような時代が来ようとも、原理原則に基づく自分の中での価値基準をしっかりしたものにしておきたいものです。
                            所 長  須 田 幸 英
                               事務所通信 11月号掲載
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